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法律コラム

法で解決できること=人生においてハッピーエンドか、必ずしもそう言い切れないのが世の常です。権利を獲得し、お金で解決することができたとしても、それが結果、良かったかどうか…は、渦中にいると見えにくいもの。ここでは弁護士・水谷がご相談を受けている際、よくクライアント様から受ける相談の法律外のお話をお伝えします。多くの人生に寄り添ってきた彼女だからこそ言える、芯の部分が垣間見えると思います。
法律で解決できること=人生においてハッピーエンドか、必ずしもそう言い切れないのが世の常です。
権利を獲得し、お金で解決することができたとしても、それで心が晴れるかどうかは別の問題だったりします。
でも、争いの渦中にいると見えにくいもの。
ここでは、弁護士・水谷がよくクライアント様から受けるご相談から、法律論からちょっと外れたお話をお伝えします。
多くの人生に寄り添ってきた彼女だからこそ言える、芯の部分が垣間見えると思います。
相手への報復のために、子どもを取り合うことの愚かさ
子どもの親権を争う際に、実は、相手の”報復”のために親権を求める場合も少なくありません。子どもへの愛情に裏打ちされた選択であればいいですが、「相手よりアッパーに立ちたい」「相手の求めていることを奪ってやりたい」という、報復的な選択になってしまうと…、もう徹底的に争うしかありません。その選択だけは、子どものためにも避けてほしい。
しかしながら、日本では、夫婦のどちらか一方を「親権」者と定めなければ離婚できないことになっています。協議→調停→訴訟まで戦って、最終的には、どちらかが負けるしかない。どちらかが諦めるしか、道はないのです。最高裁まで戦わないと諦めがつかないあのであれば、弁護士としては一緒に伴走し続けますが、非常に長い戦い(最低でも3年)になります。もし、子どものことを第一に考えるのであれば、長引く裁判を避け、次の新しい人生に向かえる選択をしてほしい。もし、看護人として子どもと一緒にいられることで幸せならば正直、それも一つの選択だと、私は思います。
離婚の目的を、見失ってしまった時は…
一方で、離婚問題のご相談を受けていると、最初はシンプルに「別れさえすればいい」「子どもさえいれればいい」そう考えてご相談に来られても、相談が進むにつれ、子どもはもちろん、「やっぱり、お金も、家も、報復も…!」となってしまう相談者さまもいらっしゃいます。最初はそうは思っていなくても、次第に自分が「何をしたいのか」がわからなくなってしまい、手放せなくなってしまうのでしょう。
全て自分の意のまま、手に入れるのは難しいです。どこかで相手と、納得のいく地点で折り合いをつけなくてはなりません。
離婚をする上で「あなたにとって一番大事なのは?」「これからの人生、再スタートを切るためには何が一番必要?」そう、前向きに考えると、自ずと答えは出てくると思います。過去や、相手に縛られず、自分自信の未来を大事に、一歩を踏み出せる選択を双方でできると、円満な結果が得られるのではないでしょうか。
親権や監護権をめぐる争いは、子どものためではなく、相手への報復のために起こることが実は少なくありません。
子どものことにとどまらず、離婚問題のご相談を受けていると、親権、養育費、財産分与といった法律的な結論にとどまらず、「相手に自分の正当性を認めさせたい」という要求が強くなってくる方は多いです。
でも、離婚に向けての話し合いをする中で、相手が「あなたが正しい、私が悪かった」となることはほとんどありません。
夫婦関係の信頼関係はすでに崩れ、関係解消を一方が求める段階なのですから。その話ができるなら、離婚に至らずすむのでしょう。
最初はシンプルに「別れさえすればいい」「子どもさえいれればいい」そう考えてご相談に来られても、「相手に~を認めさせたい」「相手に報復をしたい」という希望が強くなっていくと、次第に自分が「何をしたいのか」がわからなくなってしまい、手放せなくなってしまうのでしょう。
離婚は、避けられない最後の決断です。
「あなたにとって一番大事なのは?」「これからの人生、再スタートを切るためには何が一番必要?」そう、前向きに考えると、自ずと答えは出てくると思います。
相手に過去の修正を求めるのではなく、一歩を踏み出せる選択ができるなら、満足がいく結果が得られるのではないでしょうか。
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