COLUMUN
法律コラム

代表弁護士の水谷です。
世の中で取り沙汰されている時事問題について、法律に関わる部分で解説したいと思います。
前回記事に引き続き、昨今の痛ましいストーカー事件について。
私たち法律事務所にとって、ストーカー被害のご相談は多くはないものの、時にいらっしゃる相談のひとつ。
「当事者間でなんとかなるのではないか?」と思う事案もありますが、お話を聞くと、「これは危ない、早急になんとかしなければ…!」と明らかに常軌を逸した被害内容のものもあります。
そう言う時には、一緒に警察相談に行くなど、できる限りのことをするようにしていますが、解説いたします。
いざ、警察に動いてもらいたい場合に必要なこと
ストーカー規制法は、被害の申告があったに時、
①まずは警察から「警告」をして、②次にそれに違反した時は、刑事責任が問われる旨の「禁止命令」を出す、
という2段階構造の規制をしています。
「警告」をしてもらうだけであれば、適切な被害の申告によって警察に動いてもらえる場合もありますが、「禁止命令」となると、警察も加害者の方を取り締まる前提で、最終的にはその人を罪に問えるだけの証拠を必要とすることがあります。
警察は、市民の生活を守ってくれるところですし、警察官は、日々、被害の申告に対して一つ一つ熱心に聞いて対応してくれています。
しかし、いざ実際に警察に動いてもらおうとしても、「その時から少し時間が経っていた」、「来たLINEを消してしまった」という状況だと、証明できずに「男女のもつれかな」のようにあしらわれてしまうこともあるのです。
ですから、ご相談があった場合に私たちも弁護士として証拠集めをアドバイスし、一緒に警察に同行しています。
ストーカーによる痛ましい事件を防ぐために
一方、「民事不介入」という建前もあります。
犯罪に該当する行為でないと、相談には応じてくれても、警告、禁止命令、逮捕…、と思うように動いてくれない場合があるのです。
また、ストーカー規制法の対象行為にあたらなくても、「住居侵入」や「器物損壊」といった、他の罪名でなされた行為であって、それ自体重大犯罪に聞こえないような事件が、実は「恋愛感情やそのもつれからくる恨みだった」ということはよくあること。
警察や司法の介入が遅れ、昨今のような痛ましい事件が起こることも、そこに一因があるかもしれません。
困ったことがあったら、どのような資料を集めて、どのように相談したらいいか、弁護士に相談してみるのも一案だと思います。
お困りごとは弁護士へ相談ください
弊所では弁護士事務所には珍しい、オンライン予約システムを導入しております。
サロン予約のように、ご希望の相談メニューとご都合の良いお時間帯をお選びいただけると好評です。
こちらのページにあります「ご予約・お問い合わせはこちら」よりご予約ください。
もちろん、お電話でもご予約承っております。お電話での弁護士へのご相談は…℡03-3709-6605
法律的な見解はもちろんですが、さらにその一歩、相談者さまの人生に寄り添った形でお話させていただいております。ご相談がありましたら、お気軽に当事務所までご連絡ください。
- 「共同親権」(共同監護)のこと
- 養育費不払い問題、民法改正なるか?
- 面会交流「会わせたくない」「会わせてくれない」が錯綜する理由
- 長引くコロナ禍、結婚式キャンセルに関する新たな業界指標が発表
- 子の父を決める「嫡出推定」の民法改正について。離婚弁護士がこれまでの矛盾を解説
- 140年ぶりの民法改正。弁護士が読み解く「18歳成人の春」はいかに
- 「テラスハウス」の事案にみる、名誉棄損と侮辱について
- 法律で考える、ジャニーズ元社長の「性加害」問題
- W(ダブル)不倫は珍しくない?! 身の回りで起こってしまった時、慰謝料請求で注意すべき点とは
- 知っているようで知らない「ストーカー規制法」について
- 「ストーカー規制法」警察に動いてもらうためにも、弁護士に相談したほうがいい理由
- 逆転勝訴から考える、「性自認」と「性的指向」の話
- 東京家裁、福原愛さんの「子の引き渡し」審判から読み解く「共同親権」について
- ビッグモーター社事件で感じる違和感と、刑事・民事の責任の所在とは
- 日大アメフト部の薬物事件をめぐって、法律家の見解
- ハル・ベリーの離婚がから考える、双方が平等に監護する「交代監護」とは
- 「共同親権」導入に向けて、法制審議会にて一歩前進
- 法律で考える、ジャニーズ元社長の「性加害」問題・続編
- 日本での「無戸籍問題」をめぐって
- ジャニーズ「社名変更」なるも、法人格は「そのまま」という事情
- 「性同一性障害」の手術要件で、最高裁の下した判決について
- 「面会交流アプリ」利用について、離婚弁護士が思うこと
- 芸能人のスキャンダルと週刊誌報道、「名誉毀損」について
- 共同親権、国会への法案提出見込み
- サッカー日本代表選手の性加害疑惑について、法律家の思うところ
- 「共同親権」の導入、民法改正案を閣議決定か
- 福原愛さん、子どもの監護「共同親権」で和解か
- 共同親権を認める民法改正案が、参院で審議入り
- ついに「共同親権」法案公布。施行は2026年5月までに
- 共同親権導入まであと1年。親権者の決定は「監護の実績」の有無で決まる
- 2025年
- 2024年
- 2023年
- 2022年
- 2021年
- 2020年
- 2019年
ご予約・お問い合わせ・オンライン相談
- 個人のお客様 HOME
- 法律コラム
- 「ストーカー規制法」警察に動いてもらうためにも、弁護士に相談したほうがいい理由
- 個人のお客様 HOME
- 法律コラム
- 離婚(慰謝料)
- 「ストーカー規制法」警察に動いてもらうためにも、弁護士に相談したほうがいい理由
- 個人のお客様 HOME
- 法律コラム
- 水谷 江利
- 「ストーカー規制法」警察に動いてもらうためにも、弁護士に相談したほうがいい理由